ゆこの机の上と本棚

机の上に積んである本たちと日記

常野物語 蒲公英草紙

恩田陸さん、本当に学生の時からお世話になってる。


f:id:SakusakuP:20220219121545j:image

書いた本を売ってくれてありがとうと言いたい。あなたの頭の中の一部を紙に書いて、なおかつ売ってくれてありがとうございます。お金を出せば買えるんだから本当に感謝するべき。

蒲公英草紙は素敵な物語だった。昔から変わらず、本当に落ち着いたら薄紫が似合うような幻想的な物語を書いてくださる。

幻想的なだけじゃなくて、どこかに青春を閉じ込めていて(私の青春は永遠に六番目の小夜子)素敵だった。

遠野物語と言うだけでわくわくする。不思議な一族、透視能力、予知能力。登場人物は皆人間くさくて優しい人。けれども憧れるような素敵な人を必ず登場させてくれる。

慕情であれ友情であれ、誰かが誰かを大切に思う心がとても鮮やかで優しく描かれている。

よく本の中で第六感的なものを持ってる登場人物をただ羨ましいと思うことがあるけど、この物語の中では、この能力を持っている人が側にいてくれたらなと思った。

こういう風に思わせてくれる物語は、恩田陸さんならではなんじゃないかなぁ。